
梅雨時期になると、湿気によるカビの発生や臭いの問題でお困りではありませんか?特に特殊清掃が必要な現場では、高い湿度がさらなる二次被害を引き起こす可能性があります。
この記事では、梅雨時期における特殊清掃の重要性と、湿気・カビ対策の具体的な方法について、専門家の視点から詳しく解説いたします。適切な対策を講じることで、健康被害や建物への損害を最小限に抑えることができますので、ぜひ参考にしてください。お役立ち情報になれば幸いです。
梅雨時期の特殊清掃とは?通常清掃との違い

梅雨時期の特殊清掃とは、高湿度環境下で発生する特殊な汚染や臭いに対応する専門的な清掃作業です。通常の清掃作業とは大きく異なり、専門的な知識と技術、特殊な機材が必要となります。
通常清掃との主な違い
対象となる汚染の種類 通常清掃では日常的な汚れやほこりを対象としますが、梅雨時期の特殊清掃では、湿気により悪化した体液汚染、カビの大量発生、腐敗臭の拡散などを扱います。
使用する機材・薬剤 一般的な清掃用具では対応できないため、業務用除湿機、オゾン発生装置、特殊な防カビ剤、消臭剤などの専門機材を使用します。
作業環境の危険性 高湿度環境では細菌やカビの繁殖が活発になるため、作業員の健康リスクが高まります。完全防護服の着用と適切な換気設備が必須となります。
梅雨時期に特殊清掃が必要となるケース

梅雨時期には、湿度の上昇により様々な問題が発生しやすくなります。以下のようなケースでは、専門的な特殊清掃が必要となります。
孤独死現場での湿気による二次被害
梅雨時期の孤独死現場では、高湿度により腐敗が急速に進行し、通常よりも深刻な汚染が発生します。湿気により体液が床下や壁内部まで浸透し、カビや細菌の温床となってしまいます。
水害後のカビ発生対策
梅雨前線による豪雨や台風により浸水被害を受けた建物では、適切な乾燥処理を行わないと短期間で大量のカビが発生します。見た目には乾燥していても、建材内部に残った水分がカビの原因となります。
長期間放置された物件の湿気対策
空き家や長期間使用されていない物件では、梅雨時期の湿気により建物全体にカビが発生し、構造材にまで影響を及ぼす場合があります。このような状況では、単純な清掃では解決できません。
梅雨時期の特殊清掃作業プロセス

梅雨時期の特殊清掃では、湿気対策を重視した段階的なアプローチが重要です。以下の手順で作業を進めます。
事前調査と湿度測定
作業開始前に、現場の湿度レベルを正確に測定し、カビの発生状況や汚染の範囲を詳細に調査します。湿度計や赤外線カメラを使用して、目に見えない湿気の蓄積箇所も特定します。
除湿・換気システムの設置

大型の業務用除湿機を複数台設置し、現場の湿度を適正レベル(50%以下)まで下げます。同時に強制換気システムを稼働させ、湿気を含んだ空気を外部に排出します。
汚染物質の除去と消毒
適切な湿度環境を確保した後、汚染物質の除去作業を行います。梅雨時期は細菌の活動が活発なため、通常よりも強力な消毒剤を使用し、徹底的な殺菌処理を実施します。
防カビ処理と乾燥
清掃完了後、専用の防カビ剤を施工し、再発防止対策を講じます。完全乾燥まで数日間の監視を継続し、湿度レベルを維持します。
梅雨時期の特殊清掃費用相場
梅雨時期の特殊清掃では、通常時期と比較して追加の湿気対策が必要となるため、費用が変動します。以下に主な費用相場をご紹介します。
基本料金体系
作業内容 | 通常時期 | 梅雨時期 | 追加要因 |
1K・1DK | 30,000円~ | 40,000円~ | 除湿機器使用料 |
1LDK・2K | 50,000円~ | 65,000円~ | 防カビ処理費 |
2LDK・3K | 80,000円~ | 100,000円~ | 乾燥期間延長 |
3LDK以上 | 120,000円~ | 150,000円~ | 専門機材追加 |
梅雨時期の追加費用項目
除湿機器レンタル費用 業務用除湿機の使用により、1日あたり5,000円~10,000円の追加費用が発生します。
防カビ処理費用 専用防カビ剤の施工により、1㎡あたり500円~1,000円の費用が加算されます。
作業期間延長費用 完全乾燥まで通常より2~3日長期間を要するため、人件費や機材費が増加します。
梅雨時期の特殊清掃業者選びのポイント

梅雨時期の特殊清掃では、湿気対策の専門知識を持つ業者選びが重要です。以下のポイントを確認して、信頼できる業者を選択しましょう。
湿気・カビ対策の専門知識
業者が湿度管理や防カビ処理について十分な知識を持っているか確認します。梅雨時期特有の問題に対する具体的な対策方法を説明できる業者を選びましょう。
専門機材の保有状況
業務用除湿機、湿度計、赤外線カメラなどの専門機材を自社で保有している業者は、迅速かつ効果的な対応が期待できます。
事件現場特殊清掃士の資格
一般社団法人事件現場特殊清掃センターが認定する「事件現場特殊清掃士」の資格を持つスタッフが在籍している業者を選ぶことで、専門性の高いサービスを受けられます。
24時間対応体制
梅雨時期は湿気による被害が急速に拡大するため、緊急時にも迅速に対応できる24時間体制の業者が安心です。
アフターフォローの充実
作業完了後も定期的な湿度チェックや再発防止のアドバイスを提供する業者を選ぶことで、長期的な安心を得られます。
よくある質問と回答
Q1. 梅雨時期の特殊清掃は通常より時間がかかりますか?
A1. はい、梅雨時期は湿気対策のため、通常より2~3日程度長期間を要します。完全な乾燥と防カビ処理を確実に行うため、十分な時間をかけて作業を進めます。
Q2. 梅雨時期でも即日対応は可能ですか?
A2. 緊急性の高い案件については、24時間以内の対応が可能です。ただし、除湿機器の準備や作業計画の策定に若干の時間を要する場合があります。
Q3. 自分でカビ取りをしてから業者に依頼した方が良いですか?
A3. いいえ、素人によるカビ取り作業は胞子を拡散させる危険があります。特に梅雨時期は湿気により再発しやすいため、最初から専門業者にご依頼いただくことをお勧めします。
Q4. 梅雨明け後に依頼しても大丈夫ですか?
A4. 可能ですが、梅雨時期に発生したカビや湿気による被害は時間の経過とともに深刻化します。早期の対応により、費用と作業期間を抑えることができます。
Q5. 近隣への臭いの影響が心配です。
A5. 梅雨時期は窓を閉め切ることが多いため、臭いが近隣に拡散するリスクは比較的低くなります。また、密閉性を高めた状態で作業を行うため、臭い対策も効果的です。
まとめ
梅雨時期の特殊清掃は、高湿度環境による二次被害を防ぐため、通常以上に専門的な対応が必要です。適切な除湿対策と防カビ処理により、健康被害や建物への損害を最小限に抑えることができます。
専門知識を持つ業者選びと早期の対応が、問題解決の鍵となります。お困りの際は、ぜひ専門業者にご相談ください。
著者情報

- 氏名: 佐藤 拓(さとう 拓)
- 保有資格: 特殊清掃士、遺品整理士
- 経歴: 業界歴10年。これまで500件以上の特殊清掃・遺品整理現場を担当。ご遺族様の心に寄り添いながら、迅速かつ丁寧な原状回復作業を信条とする。宮城県内の地理や住宅事情にも精通。
「特殊清掃は技術だけでなく、人の心に寄り添うことが最も重要」をモットーに、日々現場に向き合っている。ご遺族の負担を少しでも軽くするため、透明性の高い料金体系と丁寧な説明を心がけている。