お盆や年末年始の帰省時…もしもの時のために知っておきたい特殊清掃の知識

また、専門的な知識なく進めてしまうと、臭いや汚れが完全に取れず、後々まで問題が残ることも少なくありません。

特殊清掃とは？一般的な清掃との根本的な違い

特殊清掃とは、孤独死・孤立死、事件・事故、ゴミ屋敷など、通常ではない状況下で汚損された室内を原状回復させる専門的な清掃作業全般を指します。一般的なハウスクリーニングが「快適な生活空間を維持する」ことを目的とするのに対し、特殊清掃は「異常な状態から通常の居住可能な状態へ戻す」ことを目的としています。

その違いは、対処する汚れの種類と専門性にあります。

• 一般的な清掃:
  • ホコリ、水垢、油汚れなどの日常的な汚れ
  • 市販の洗剤や道具で対応可能
  • 目的：美観の維持・向上
• 特殊清掃:
  • 血液、体液、腐敗物、汚物、ペットの糞尿など
  • 強力な専用薬剤やオゾン脱臭機などの特殊機材が必要
  • 目的：完全な除菌・消臭、原状回復

特殊清掃が必要となる代表的なケース

特殊清掃が具体的にどのような場面で必要とされるのか、代表的なケースをご紹介します。これらの状況は誰にでも起こりうる可能性があり、決して他人事ではありません。

• 孤独死・孤立死
  発見が遅れたご遺体があった部屋では、体液や腐敗臭が床や壁に染み付いているため、専門的な清掃と消臭・除菌作業が不可欠です。
• ゴミ屋敷・汚部屋
  長年溜め込まれたゴミの撤去だけでなく、それに伴う害虫駆除、カビの除去、染み付いた悪臭の消臭作業が必要となります。
• 事件・事故・自殺の現場
  血液や体液が飛散した現場の清掃には、感染症リスクを防ぐための専門知識と適切な手順が求められます。
• 火災・水害の後の復旧
  火災後の煤（すす）の除去や消臭、水害による汚泥の撤去や乾燥、消毒作業なども特殊清掃の範囲に含まれます。

依頼から作業完了まで | 特殊清掃の基本的な流れ

信頼できる業者に依頼した場合、特殊清掃はどのような流れで進むのでしょうか。ここでは、お問い合わせから作業完了までの標準的なプロセスを解説します。

1. お問い合わせ・ご相談
   まずは電話やメールで状況を伝えます。この時、慌てずにわかる範囲で「場所」「部屋の状態」「発見までの日数」などを伝えるとスムーズです。
2. 現地調査・お見積もり
   専門スタッフが現地を訪れ、汚染状況、部屋の広さ、必要な作業内容を詳細に確認し、正確な見積書を作成します。見積もり内容に不明な点があれば、必ずこの段階で質問しましょう。
3. ご契約
   見積もり内容に納得できたら契約を結びます。作業内容や料金、作業日程などを書面で確認することが重要です。
4. 専門作業の実施
   契約内容に基づき、専門スタッフが作業を開始します。汚染物の除去、除菌、消臭、遺品整理などを、近隣に配慮しながら慎重に進めます。
5. 作業完了の確認・お支払い
   作業がすべて完了したら、依頼者が立ち会いのもとで最終確認を行います。臭いや汚れが完全に除去されているかを確認し、問題がなければ料金を支払い、完了となります。

【状況別】特殊清掃にかかる費用の相場

特殊清掃の費用は、部屋の広さや汚染の度合いによって大きく変動します。ここでは、あくまで目安として、状況別の費用相場をご紹介します。

間取り	孤独死（発見が早い）	ゴミ屋敷（軽度）
1R・1K	50,000円～	80,000円～
1LDK	100,000円～	150,000円～
2LDK	180,000円～	250,000円～

【補足事項】

• 上記は基本的な除菌・消臭作業の料金です。
• 遺品整理、ゴミの処分量、リフォームが必要な場合は別途費用が発生します。
• 発見が遅れ、汚染が深刻な場合は相場を上回ることがあります。
• 正確な料金は、必ず現地見積もりで確認してください。

後悔しない！信頼できる特殊清掃業者を選ぶ5つのポイント

特殊清掃は、業者によって技術力や料金体系が大きく異なります。悪質な業者を避け、安心して任せられる優良な業者を選ぶためのポイントを5つにまとめました。ぜひ参考にしてください。

1. 見積書の内容が明確か
   作業内容の内訳が詳細に記載され、追加料金の有無についても説明があるかを確認します。「一式」などの曖昧な表記ばかりの業者は注意が必要です。
2. 豊富な実績と専門性があるか
   企業のウェブサイトで、過去の作業事例や実績を確認しましょう。特殊清掃に関する専門的な資格（事件現場特殊清掃士など）を保有しているスタッフがいるかも判断基準になります。
3. 問い合わせ時の対応が丁寧か
   依頼者の不安な気持ちに寄り添い、親身に相談に乗ってくれるかどうかも大切なポイントです。専門用語ばかりで説明がわかりにくい業者は避けた方が無難でしょう。
4. 損害賠償責任保険に加入しているか
   万が一、作業中に建物や家財を破損してしまった場合に備え、損害賠償責任保険に加入している業者を選ぶと安心です。
5. 書面での契約を交わすか
   口約束だけでなく、作業内容や料金を明記した契約書を必ず取り交わす業者を選びましょう。後のトラブルを防ぐために不可欠です。

特殊清掃に関するよくある質問と回答

Q1. 近隣に知られずに作業してもらうことは可能ですか？
A1. はい、可能です。多くの専門業者は、社名の入っていない車両で伺ったり、日中を避けて作業を行ったりするなど、プライバシーに最大限配慮した対応をしています。お見積もりの際にその旨をご相談ください。

Q2. 見積もりは無料ですか？また、見積もり後に断っても問題ありませんか？
A2. ほとんどの業者では、現地調査とお見積もりを無料で実施しています。また、見積もり内容に納得できなければ、断っても問題ありません。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

Q3. 作業にはどれくらいの時間がかかりますか？
A3. 状況によって大きく異なりますが、一般的な単身者の部屋の特殊清掃であれば、1日～3日程度が目安です。ゴミ屋敷の片付けやリフォームが伴う場合は、1週間以上かかることもあります。

まとめ

今回は、特殊清掃の基礎知識から、必要となるケース、費用相場、そして信頼できる業者の選び方までを網羅的に解説しました。特殊清掃は、いつ誰の身に起こるかわからない問題です。もしもの時に慌てず、適切に対処するためにも、本記事でご紹介した内容を心に留めておいていただければと思います。

結論

この記事では、特殊清掃の定義から業者選びの具体的なポイントまで、専門家の視点で詳しく解説しました。万が一の事態に直面したとき、ご自身やご家族だけで抱え込むのは非常に困難です。もしお困りの際は、一人で悩まずに専門家にご相談ください。クリーンマスターでは24時間365日、無料でお見積もりを承っておりますので、いつでもお気軽にお問い合わせください。

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著者情報

• 氏名: 佐藤 拓（さとう 拓）
• 保有資格: 特殊清掃士、遺品整理士
• 経歴: 業界歴10年。これまで500件以上の特殊清掃・遺品整理現場を担当。ご遺族様の心に寄り添いながら、迅速かつ丁寧な原状回復作業を信条とする。宮城県内の地理や住宅事情にも精通。

「特殊清掃は技術だけでなく、人の心に寄り添うことが最も重要」をモットーに、日々現場に向き合っている。ご遺族の負担を少しでも軽くするため、透明性の高い料金体系と丁寧な説明を心がけて